震災報道 幼児の心理に影響も

引用

東日本大震災を受け、被災地の状況が連日絶え間なく、テレビに映し出されている。報道として重要だが、幼児には心理的な悪影響が出始めているという。専門家は「災害から命の尊さを学べるのは小学3、4年になってから」と注意を呼びかけている。
 「もともと元気に遊んでいたのに、震災後の月曜日(14日)から先生のそばを離れなくなった子、1人でトイレに行けなくなった子や、ジャングルジムが倒れないか心配する子がいる。安心させるような対応を心がけている」
 認定こども園「あいゆう園」(茨城県龍ケ崎市)の大越和美主任は震災以降、園児たちの心の変化に気付き始めているという。
 筑波大学大学院の徳田克己教授(子供支援学)も「小学1年のわが子が不安定でよく泣くようになった、という母親から話を聞くと、地震の怖さを言い聞かせ、テレビの映像もよく見せていた」。
 こうした子供たちの異変に対し、徳田教授は「多くの親は深く考えないまま、子供と一緒に災害のニュースを見て、『死んだら会えないんだよ』などと話しかけたりする。震災を通じて幼いうちから命の大切さを教えなければ、というのは勘違いで、恐怖だけを抱かせてしまう」と強調する。
 平成7年の阪神大震災後、徳田教授のグループがニュース映像を見た幼児を調査したところ、被災地ではないのに、多くの子供に夜泣きや不登園の傾向が出た。
 中には夜驚(やきょう)症(睡眠から突然起きて叫ぶなど怖がる症状)、爪をかむ、チックなどの神経症状が強く、治療が必要な子供もいたという。
 幼児がいる場合の災害情報の接し方として徳田教授は、悲惨な映像をなるべく見せない▽親がテレビを見る時には近くにいて、「ママ(パパ)がいるから大丈夫」などと声をかける▽災害と死を結びつけたり、死んだら会えないといった話をしたりしない▽枕元に子供の宝物を置いて安心させる−などを挙げる。
 徳田教授は「幼児は恐怖を感じても、地震の時に正しく対処できるわけではなく、悪影響の方が大きい。不安を取り去るよう工夫してほしい」とアピールしている。

 

震災のニュースを見せる以前に、最近はテレビを見せ過ぎでしょう…

でも、命の尊さを学べるのは小3以上なんですね。

災害の復興にも人の成長にも時間がかかるようです。