ソフトヤミ金、被害潜在化か

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視庁が16日に摘発した「ソフトヤミ金」は、違法な高金利で金を貸し付けながら強引な取り立てを控える手口のため、被害が潜在化する恐れが指摘されている。今年6月に改正貸金業法が完全施行され、消費者金融などからの借入総額を年収の3分の1に制限する「総量規制」が導入された。新規融資を受けられなくなった借り手がソフトヤミ金の標的になる危険もあり、捜査当局は警戒を強めている。
 警視庁生活経済課によると、出資法違反(高金利受領)などの容疑で逮捕された斎藤聡斗司容疑者(36)=東京都足立区=らは関東財務局に登録した貸金業者名で顧客を募っていた。顧客が返済に窮しても無理な取り立てで追い込むことはせず、別のヤミ金を紹介していたが、実際には斎藤容疑者が経営するグループ店だった。顧客側も「ヤミ金の怖いイメージはなかった」と話し、警察への苦情も少なかったという。
 グループは足立区の雑居ビルに事務所を構えていた。ビルオーナーの男性(59)は部屋の賃貸契約をしに来たウェブデザイナーを名乗る男を覚えていた。「白いシャツにジーンズのおしゃれな格好だった。言葉遣いも普通で、おとなしい印象を受けた」と振り返る。ただ、「携帯電話ですべて済ます」と入居時に電話回線を引かなかったことを不審に感じたという。同課によると、グループは客からの電話を固定電話番号から携帯電話に転送し、顧客と連絡を取っていた。
 斎藤容疑者は、ヤミ金のノウハウを学んだ従業員を店長にし、この事務所を拠点に6店の名称を使い分けて営業していた。斎藤容疑者は「債務者と長い取引をすればそれだけ利息が取れるので、強引な取り立てはしなかった」と供述しているという。
 全国信用情報センター連合会などの調査によると、無担保・無保証で営業する貸金業者の利用者数は約1400万人で、国民の8.5人に1人が利用している計算だ。このうち約700万人が総量規制の範囲を超えて借りているとみられる。6月の消費者金融大手4社の新規借入申込件数は前年同月比2〜6割減となり、改正法の完全施行で融資を受けられなかったり、借り控えが起きたとみられる。一方で、収入のない主婦らがソフトヤミ金に流れる危険性も指摘されている。
 貸金市場の利用者調査を行っている東京情報大の堂下浩准教授は「貸し倒れを恐れて借り手を対面審査し、延滞なく返済する借り手には金利を低くするヤミ金が現れている。ソフトヤミ金は借り手も被害を意識しないため、被害が潜在化してきている」と話す。
 警察庁によると、今年上半期(1〜6月)に摘発したヤミ金事件の被害総額は前年同期比53.1%減の64億8314万円だった。警察庁は「改正貸金業法の施行などで、ヤミ金が小型化している」と分析している。

 

ソフト闇金と言いますが、この形ならむしろ世の中に必要なものではないでしょうか?

銀行が貸し渋る一方で、生きていくことにも困難な人からすれば、優しく健全に貸してくれるのであれば、誰だろうとすがってしまうと思います。

それにしても1400万人とは・・・すごい状態ですね。

本来なら銀行の役目でしょうに、銀行は有名無実になってしまったということでしょうか(苦笑)