イリオモテヤマネコ目撃急増

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竹富町西表島だけに生息する国の特別天然記念物イリオモテヤマネコの2009年の目撃情報が、317件(12月16日まで)と前年(157件)の倍以上に急増していることが分かった。環境省は急増の要因について、個体数の増加ではなく、特定の個体が頻繁に路上に出現する「異常行動」との見方を示している。人や車に慣れてしまっていることも考えられ、交通事故の可能性や観光客らが餌付けすることで生態系が変わってしまう恐れもあり、専門家らも警戒感を強めている。
 19日に西表島で行われた野生生物保護対策検討会イリオモテヤマネコ保護増殖分科会で報告された。
 環境省西表野生生物保護センターが目撃情報を分析したところ、317件のうち193件は特定個体の路上出現だと分かった。
 同島東部の大富前良地区の県道では08年10月〜12月に目撃はなかったが、09年は9月〜12月末までに49件の目撃情報が寄せられた。うち45件がきょうだいとみられる子ネコ2匹で、11月中旬以降はほぼ毎日確認された。
 現場付近では09年8月〜9月から県道の工事が始まり、付近での成獣の目撃は減ったが、工事開始と同じころに生まれた子ネコ2匹は人間や重機、自動車などを恐れない様子だったという。そのうち1匹は今月3日、交通事故により路上で死骸(しがい)で発見された。
 路上出現が最も多かった同島北岸では老齢の雄と、母子、親離れしたばかりの幼い個体が頻繁に確認された。同センターの岡村麻生自然保護専門員(理学博士)は「餌を捕りにくい弱い個体や経験のない子ネコなどは、カエルやヘビなどが簡単に捕れる道路に執着してしまうと推測される」という。同センターでは、ドライバーに注意を呼び掛ける看板設置などの対策を取るが、交通事故の不安はぬぐえない。
 分科会の座長も務める土肥昭夫長崎大元教授は「高崎山(大分)のニホンザルなど人間が餌をあげると野生動物がおねだりを覚えてしまう。人間への注意を喚起しないといけない」と、イリオモテヤマネコと人間の接近に警鐘を鳴らした。

 

人間との接触は避けられないでしょう…

交通事情を解決するなど、他の方法を模索した方がよいと思いますよ。